届いたのは少し前だったけれどようやく昨日
聴くことができた。
もちろん届いてから昨日まで聴こうと思えば
聴けたのだけどなんだかずっと忙しくて
慌ただしい日々だったのだ。
なんとなくこのアルバムはゆっくりと
何にもない日に聴きたいなと思った。
それで昨日。
アルバム全編をゆっくりと最初から最後まで聴いた。
そしてその後も繰り返した。
こんな風にアルバム全編を聴き通すのも久しぶりの
ような気がした。そんなことをしたのはずっと前の
ような気がする。そのことに気がついてまず驚いた。
もちろん音楽はずっと好きで今も好きで
毎日聞いているのだけど、聴くのは曲単位で
アルバム単位ではなくなってきた気がする。
僕はどちらからというとのんびりした生活を
送っている方だと思うけれど、
それでもいつの間にかに音楽だけでなく
生活全般が断片的になっていたのだ。
時間の連続の中から生まれるものが
豊かなだけにこのことは少し寂しい。
そんな時にこのハシケンさんのアルバムは
とても効く。
最近、ハシケンさんが農業に関わって
いらっしゃることも関係あるのかもしれないけれど、
このアルバムを聴いているととても長い時間の中に
身をゆだねるような感覚になるのだ。
急がなくていいんだよ、と教えてくれる。
そのほかにも色々と教えてくれる。
大声を張り上げなくてもちゃんと伝わるんだよ、
とかそういうことを。
最近思うのだけど。昔は大きな音で鳴らすのが
ロックだと思っていた。でも今の世の中では小さな声で
自分のペースでゆっくりと歌うことがロックなのかなと。
なぜかというとそっちの方が社会が求めてくるものに
対して自由なスタンスだから。
だからハシケンさんは今も昔も
ずっとロックンローラーなんだと思う。
近藤康平(ライブペインティング/ 絵描き)