2019年01月24日

「For You」という曲。

バイオリン太田惠資さんの紹介で初めてジャズピアニスト板橋文夫さんに会ったのは横浜ジャズプロムナードの楽屋だった。それは私がリスペクトレコードからアルバム『限りなくあの空に近い』をリリースした後なので2000年のことだったと思う。『限りなく・・』に太田さんが参加していることもあり板橋さんにそのCDをお渡しした。

板橋さんは私と会ってすぐに『限りなく・・』を聴きしかも気にいっていただいたようで連絡がきた。そして板橋さんのマンションに行きリハをやることになり初めは板橋さんのライヴにゲストボーカルのような形で参加させていただくようになった。『限りなく・・』に収録した「夕映え」「走る人」を始め、板橋さんの名曲「渡良瀬」も歌った。ライヴをご一緒させていただくようになってからすごく気になる板橋さんの曲に出会った。板橋さんソロや板橋文夫オーケストラで演奏する曲に「For You」というインストの曲がありそのメロディがとても美しく、そのメロディに引き寄せられるように歌詞をつけたくなった。今でも歌ってる「For You-ハシケンバージョン-」の歌詞を書き板橋さんにその歌詞の内容を伝え歌った時、板橋さんは両手を上げてOKという感じの反応ではなかった。でも私がボーカルで参加するライヴではその歌詞で「For You」を歌ってもいいことになり歌わせていただくようになった。

何回かライヴを重ねるうちに、ある時ぽろっと板橋さんがこう言った。「ハシケンが書いたFor Youの歌詞をハシケンが歌ってるのをピアノを弾きながら聴いていると、自分の母親や姉がずっと手を振って姿が見えなくなるまで見送ってくれたことを思い出すんだよなぁ」。「For You」の歌詞を書いていく過程の中で、板橋さんのピアノの演奏スタイルやライヴの時のMCや楽屋での発言を元に私が「For You」という曲のメロディから勝手に受け取った印象があった。それは板橋さんのお母さんやお姉さんが浮かぶことはなかったものの、板橋さんがツアーを回ってる際、国内海外を問わず飛行機に乗る時に「もしかしたら、ここに来たいと思っても何かの都合で次回来れないかも知れない。もし次回会うことができなかったとしても見送りに来てくれた人たちがずっと幸せでいられますように」と強く願っている姿だった。なので板橋さんが話したことにとても驚いた。そして自分が心に描いた風景が板橋さんの創り出したメロディに寄り添うことができていたと確信でき素直にうれしかった。その後「For You -ハシケンバージョン-」はアルバム『赤い実』(2003年)、『うた』(2016年)でCD化した。東日本大震災以来、板橋さんとご一緒できていないが、またどこかのタイミングで「For You」を始め同じステージで演奏したい。

「For You -ハシケンバージョン-」

またいつかあなたに会えることを
強く心から願う
遠く離れてもいつも想ってる
あなたの未来が輝くように

伝えたいことがたくさんあるのに
うまく言葉にできない
何度も何度も
手を振りつづけた
あなたにこの想い届くように
あなたにこの想い届くように

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posted by ハシケン at 20:48| Comment(0) | 曲について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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